高いクオリティは示せたイタリア戦
4-3で迎えた後半43分、本田の左からのシュートをゴール前の岡崎が足に当てると、逆を突かれたGKブッフォンが見送ったボールはクロスバーに当たる。リバウンドを吉田が押し込んだがオフサイドの判定に嫌われる。その後もロスタイムの3分間を最後まで攻めたが、4つ目のゴールは決まらないままタイムアップの笛が鳴った。
日本の選手たちはガックリとその場に倒れ込んだが、勝利したイタリアの選手たちも肩で息をしながら、安堵の表情を浮かべた。中2日で暑さと湿気もハンディとなるためか、慎重に入ったイタリアを日本の果敢なプレスと波状攻撃が襲った。
しかし、前半30分過ぎからイタリアが勝負のギアを入れてからも、日本は攻めの姿勢を崩さず、途中で疲労の色を見せながらもフルタイムを戦いきった。日本の健闘は何より、途中からすっかり日本びいきになった地元の観衆が証明していたと思う。
「積極的に戦ってくれたし、日本のやり方で試合を進めてくれた」(ザッケローニ監督)
この夜に見せた選手たちの戦う姿勢、それに伴う確かなクオリティは疑いの無いものであり、ここで得た自信とポジティブな悔しさは、残り1年間の強化においても財産になるはず。その上で、本大会でザッケローニ監督の言葉を借りれば“世界を驚かせる”ための課題もいくつか明確になった。
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