2得点でG大阪の勝利に貢献したパトリック【写真:Getty Images】
天皇杯準決勝の2試合、ガンバ大阪対清水エスパルスとジェフユナイテッド千葉対モンテディオ山形が26日行われた。
2試合合計で12点が生まれる乱打戦の末、今季三冠を目指すG大阪と初優勝を狙う山形が決勝進出を決めている。
今季三冠を狙うG大阪はここ最近調子の上がらなかった2トップが開始直後から躍動する。
9分、エースの宇佐美貴史が放った地を這うようなミドルシュートが清水のGK櫛引政敏の手を弾きゴールイン。さらに15分、宇佐美の相棒パトリックがCKに圧倒的な高さで合わせて2点のリードを手にする。
2点のビハインドを背負い、控えメンバー中心で厳しい戦いになるかと思われた清水だが、若い力で苦境を跳ね返す。
20分、プロ初出場初スタメンとなった加賀美翔がワンチャンスをものにし、デビュー戦ゴールを奪った。清水ユースで大榎克己監督が磨き上げた才能が大一番で輝きを放った。
さらに清水は24分、石毛秀樹のインターセプトから村田和哉がドリブルで仕掛け、最後は村田のスルーパスに抜け出した高木善朗がフィニッシュ。開始から15分で背負った2点のビハインドを10分で取り戻した。
ところが、好プレーを見せる攻撃陣とは裏腹に、GKの櫛引がこの試合2度目の大きなミスで37分に勝ち越しを許してしまう。再びパトリックに決められ3-2。前半だけで5点も生まれる珍しい展開になってしまった。
比較的静かな展開だった後半、72分に櫛引の中途半端なポジショニングの隙を突いた宇佐美がこの日2点目となるループシュートを決めてリードを2点に広げる。櫛引は自身が3失点に絡む最悪のプレーで改めて継続性のなさを露呈してしまった。
さらに85分、リンスが“仕上げ”のゴールを決めて5-2としたG大阪が乱打戦を制した。
ともにJ1昇格プレーオフへの切符を手にした千葉と山形の試合は序盤から動く。かつてG大阪で天皇杯連覇を経験している山﨑雅人が開始2分で先制すると、その後も千葉を自陣に押し込みリズムを作らせない。
だが、プレーオフ前に負けられない千葉もすぐさま反撃に出る。25分、右サイドのCKにファーサイドで竹内彬が頭で合わせて同点に追いついた。リーグ戦では出場機会の少ない竹内が関塚隆監督の起用に応え、千葉に活力を注入する。
対する山形もセットプレーでお返し。33分、CKにキム・ボムヨンが合わせて勝ち越しに成功したし、前半はこのまま山形の1点リードで折り返す。
後半に入っても試合は動く。55分、山形の川西翔太のバックパスを奪ったオナイウ阿道から谷澤達也へつなぎ、そのままフィニッシュ。再び同点とする。
追いつかれた山形は初の決勝進出に向けてさらに攻勢をかける。71分、右サイドを猛然と駆け上がってペナルティエリアに侵入した山田拓巳が貴重な勝ち越しゴールを決めて3-2。
試合はこのまま終了し、山形がクラブ史上初の天皇杯決勝進出を決めた。
今年の天皇杯決勝は“元旦国立”ではなく、来月13日に日産スタジアムで行われる。J1で優勝争いを繰り広げるG大阪と、J2で地道に勝ち星を積み上げてプレーオフ出場を掴んだ山形。今年の“日本サッカー界最強”を決める運命の一戦は12月13日14時キックオフだ。
【了】