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長友佑都 10年前

「新しい長友を見せたい」。新体制初戦のダービーで機能。マンチーニとの出会いがさらなる成長もたらすか

ロベルト・マンチーニ監督の就任初戦となったミラノダービー。インテルの長友佑都は、右SBとして先発して同点弾を誘発。周囲との連動によって戦術的な歯車の一つとして希望を示した。

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

「ダービーで幸運を呼ぶ選手」

「新しい長友を見せたい」。新体制初戦のダービーで機能。マンチーニとの出会いがさらなる成長もたらすか
ロベルト・マンチーニ監督の就任初戦となったミラノダービー【写真:Getty Images】

 ミラノダービーの後半9分だった。グアリンらとの連係を駆使し右サイドの奥に攻め込んだインテルの長友は、シュート性の速いクロスをゴール前に入れた。ミランのDFは対処に慌てた結果、CKに逃れた。

 長友にとって、これは一つのサインだったという。

「1回グラウンダーで速いボールを入れた時に、相手も対応に苦しんでいたんで、そこを突いていきたいなと思っていました」

 ここから、テンポが一段上に上がったのは見て取れた。マンチーニ新監督のもと、縦にスピードアップするようにチームは修正され、空いたオープンスペースに走りこめばパスが出てくる。2度、3度とオーバーラップを繰り返し、対面のサイドを運動量で押し込んでいく。調子の良い時の長友のリズムである。

 そして7分後、右のオープンスペースに侵入した彼は、深く切り込まず早めにクロスを入れた。

「相手は下がりながらのディフェンスになるんで、対応が難しい(長友)」

 これをサパタが中途半端にクリアし、オビの同点ゴールへと繋がった。

 狙い通り、とは言えないまでも、意図的に仕掛けた末にハプニングを呼び起こしたのは事実であった。

「ダービーで幸運を呼ぶ選手でもあるし、間違いなくプレイすることになる」とマンチーニ監督は前日に語っていたが、とりあえずゲンの良さは継続中である。何より、新監督就任初戦で上々の出来。「手応えは掴んでいる」と長友本人も語っていたが、今後に希望を残すパフォーマンスだった。

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