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コンフェデよりもテニスを優先。サッカーのない夏を過ごす“母国”イングランド

世界中から注目を集めるプレミアリーグ。だが、熱狂的なイングランドのフットボールファンも6月はお休みモードだ。コンフェデが行われているのになぜ母国の人々は無関心なのか?

text by 山中忍 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

6月の主役はアンディ・マレー

 サッカーのない夏。イングランド国民の多くが、そう覚悟してこの6月を迎えている。ブラジル対日本で幕を開けた2013年コンフェデ杯に、国際大会として注目している向きは少ない。

 一応、試合中継とハイライト番組はある。放送担当局はBBC。だが、同局が放映権を獲得できたのも、国内での大会人気の低さから価格競争が激化しなかったためと思われる。プレミアリーグとCLはもちろん、近年はイングランド代表戦の放映権も、スポーツ専門の衛星局や地上波の他局に奪われ始めたのだから。

 そのBBCによる中継にしても、開幕戦は日本でいう「ゴールデンタイム」中の夜8時キックオフだったにもかかわらず、デジタル放送のサブチャンネルに回されていた。しかも、放送開始時刻にテレビをつけてみれば、西ロンドンで行われていたテニスの試合が中継されているではないか。降雨中断で試合時間が延びたためだった。

 そう、国内の目と耳は、同じ「大会前哨戦」でも、14年W杯1年前のトーナメントではなく、ウィンブルドン大会2週間前のトーナメントに向けられていた。6月の主役は、男子テニスのアンディ・マレー。16日に閉幕したトーナメントで優勝を飾り、ウィンブルドン本番での初優勝に期待は高まる一方だ。

 そのテニス中継のまま20分強が経過し、受信機の操作でサブチャンネルの裏番組に切り換える必要があることに気付いた頃には、既にキックオフ直前で「君が代」が流れていた。

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