ハイデュク・スプリトのサポーター【写真:Getty Images】
先日のイタリア対クロアチアでも試合を中断させるトラブルを起こしたクロアチアのサポーター(https://www.footballchannel.jp/2014/11/17/post56513/参照)。荒くれ者なのは国内でも変わらないようで、彼らを発端に珍しい事態が起こってしまった。
22日に行われるはずだったクロアチア最大のライバル対決、ディナモ・ザグレブ対ハイデュク・スプリトが試合開始前に中止となってしまったのだ。
これについて『BBC』をはじめとした多くの欧州メディアが報じた情報を総合すると、次のようになる。
まず、ハイデュク・スプリトのサポーター約2000人がアウェイの地ザグレブに向かった。
しかし、その中の数十人がディナモ・ザグレブのスタジアムのブラックリストに入っているとして入場を拒否されてしまう。
それに怒ったハイデュクサポーターたちは全員が連帯して入場を拒否。するとそのことを知った選手たちもピッチに立つことを拒否し、試合をボイコットしたというのだ。
ディナモ側はブラックリストの存在を否定しているが、さらなる対立は避けられそうにない。この試合は3-0でディナモ・ザグレブの勝利として記録(没収試合)される見込みとなっている。また、ハイデュク側も日曜日(23日)に声明を発表する予定となっている。
そして、サポーターに連帯して試合をボイコットした“英雄たち”を迎えるため、ハイデュクの本拠地には「トルツィダ」と呼ばれるサポーター約7000人が集結した。これについてクロアチアメディア「スポルチュク・ノヴォスチ」が写真付きで報じている。
YouTubeにも多くの動画がアップされており、サポーターが集まるスタジアムに入場したハイデュクの選手たちは、無数の発煙筒や花火が焚かれる中、全員で記念撮影をしたり、彼らとともに歌ったりとさらなる連帯を行動で示した。
今後の処分などはどのようになるか不明だが、この2チームの対立が深まることは避けられそうになく、代表戦での一件も含めてクロアチアサッカー界の闇の深さを世界に知らしめてしまったと言えそうだ。
【了】