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6月12日の天皇杯2回戦・FC岐阜戦で、吉尾海夏は今季公式戦初出場を果たした。それまでチャンスが回ってこない苦しい時期を耐え続けた25歳のMFは、どのような思いを抱いてこの試合に臨んだのか。自らの居場所を確保するために戦い続ける吉尾に、1本のLINEが届いた。(取材・文:藤井雅彦)
不慣れなポジションで奮闘した吉尾海夏
その日、サポーターから最も熱い声援と多くのチャントをもらったのは間違いなく背番号25だった。
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6月12日の天皇杯2回戦・FC岐阜戦で今季公式戦初出場。週末のリーグ戦とこれから始まる連戦を見据えて主力選手の大半を温存した一戦で、吉尾海夏がついにピッチに立った。
「ウォーミングアップの時からサポーターの皆さんの声援があった。自分のコールの時に、待ってくれていたのがすごく伝わってきた。今日はいろいろ考え過ぎず、楽しむことを一番に考えた」
試合前、遠く岐阜まで駆け付けた同志たちからの呼びかけに拍手で応え、深々と頭を下げる。胸のエンブレムを叩くことも忘れずに。
待ちに待った出番をエンジョイしつつ、チームとして次のラウンドへ進むために結果を残す。与えられたタスクは明確だった。
不慣れな左ウイングの位置で奮闘した。チームの構造上の問題もあってか、ボールを受けても効果的なサポートを得られず孤立無援になる場面も多かった。それでも独力で突破を図ってチャンスメイクするなど、できる限りの力を尽くした。
個人的なハイライトは交代直前のミドルシュートだろう。渾身の力で振り抜いた左足シュートは、しかし右ポストを叩く。次の瞬間、膝から崩れ落ちて交代を命じられた。
「入ったと思った。手ごたえはあった。力はほぼ入っていなかったけどミートした。ああいうところ。決めて交代していれば、また変わったかなと」
やり切った充実感と、やり残した悔恨が入り混じる。そんな73分間が吉尾個人にとっての今季開幕戦となった。
実は試合前、尊敬する先輩からLINEでメッセージを受け取った。チームバスがスタジアムに着いた頃の出来事である。