ともにコウモリをシンボルに採用するバレンシア(左)とバットマン(右)【写真:Getty Images】
夜の静寂に潜むダークヒーロー、バットマン。闇夜に浮かぶシンボルを合図に犯罪者への制裁に繰り出すが、そのシンボルへのこだわりは強烈だったようだ。
アメリカの出版社であるDCコミックがバレンシアを告訴した。英紙『ミラー』を含む複数のメディアが報じている。
バレンシアはクラブエンブレムにコウモリのマークを採用しているが、これがバットマンのシンボルに酷似しているとDCコミックは主張。スペインを始めとした欧州各国での商標登録をもとに権利を主張した。
ちなみにバットマンが最初に登場したのは1939年。対するバレンシアは1919年に創設されており、バレンシアの方が20年先に生まれている。
また、同クラブがコウモリを象徴に採用している理由は13世紀に遡る。1238年にハイメ1世がレコンキスタ(国土回復運動)の中でバレンシアを占領した際に、コウモリが王の肩に止まったことで戦いを助けたという言い伝えが由来だ。これによりスペインではコウモリは幸運の象徴とされ、バレンシア地方のシンボルとなった。
約800年にも渡る伝統が盗作として訴えられてしまったバレンシア。ファンはもとより住民からの反対は避けられそうにない。
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