まもなく来日するアルベルト・ザッケローニ氏【写真:Getty Images】
前日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏がミラノの新聞『コリエレ・デッロ・スポルト』のインタビューに答え、その動画が同紙のウェブサイト上に公開された。
来週日本で講演をするためにミラノを発つ直前に収録されたインタビューだったため、日本について問われると「すごく懐かしい。だからこれから飛行機に乗って日本へ行くんだ。一度日本に住むと、皆離れたときに戻りたいと思うのではないか」と愛着を口にした。
ミラノダービー直前で監督交代に踏み切ったインテルについて「あまり元気がなく結果も出ていなかった。マンチーニは経験があるし、マッツァーリよりはクラブとサポーターに認められている」とさほど難しい状況にないと推測している。
さらに「私もインテルで監督をした経験を持っているが、上手くいくかはクラブやサポーター、メディアとの関係次第。マッツァーリにはそれが非常に難しかった」とインテルの前指揮官が支持を得られなかったことを解任の要因とした。
対してフィリッポ・インザーギが指揮を執るミランは「クオリティが高くいいチームだと思う。マッツァーリと違ってインザーギはいい環境で働けている。彼のミランはマッツァーリのインテルに比べて風通しがいい」と称賛した。
しかし、両チームにも弱点はあるようで、「ミランも少し問題を抱えている。特にディフェンス。逆にインテルの問題はサイドだ」と分析し、「自分たちの弱点をより上手く隠せる方が勝つだろう」とダービーの行方を予想している。
今週末ダービーを控えたミランとインテルだが、ともに財政難から近年は低迷続きで一向に復活の兆しが見えない。それについてザッケローニ氏は「私が指揮を執っていた前後は多くのお金を使えていたが、私は3年間でシェフチェンコ以外にお金を使えなかった。彼は若かったし、獲得にそれほど多くの移籍金を必要としなかった」と回顧。
さらに「私はそれでも結果を出せた」といまのミランやインテルにも優勝は不可能でないことを示唆した。
財政再建に努める両チームで、特にインテルのエリック・トヒル会長の努力について評価している様子のザッケローニ氏。
彼と会ったことがないためよく知らないと前置きしつつ、「クラブが経済的に安定していなければ投資はできない。ただ、ビジネスマンとしていい結果を出すためにはお金を使わなければいけないことも理解していると思う」と強いインテル復活が近いことも予想している。
本田圭佑が所属するミランと長友佑都が所属するインテル。ともに“教え子”がプレーする古巣の一戦をザッケローニ氏はどのような思いで見届けるのだろうか。
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