ミランの指揮官フィリッポ・インザーギとMF本田圭佑【写真:Getty Images】
伝統のミラノダービーを23日に控えるミランとインテル。インテルは監督をワルテル・マッザーリからロベルト・マンチーニに交代したが、それがミランの監督フィリッポ・インザーギの頭を悩ませているようだ。
イタリアTV局『スカイ・スポーツ』がミランのインザーギ監督がミラノダービーで恐れている5つの事柄を挙げている。
1)インテルの戦い方が予想できない
インテルの新監督であるマンチーニはミラノダービーが初采配となる。当然、その戦い方は未知数だ。相手の情報がないことは指揮官にとって最も難しい状況である。
2)7人の選手が代表により離脱した
今週の代表ウィークで、ミランは7人の選手を各国代表に送り出している。ステファン・エル・シャーラウィ、ジャコモ・ボナベントゥーラ、アンドレア・ポーリ、マッティア・デ・シリオ、パブロ・アルメロ、クリスティアン・サパタ、そして、本田圭佑だ。代表による離脱で練習に参加できなかっただけでなく、移動による疲労を蓄積している選手もいる。
3)ミランは10月19日のヴェローナ戦以降勝利していない。直近の4試合では勝点3、6試合では勝点5しか手にしていない。
開幕ダッシュに成功したインザーギ監督のミランだが、対戦相手から対策を取られてきていることは明らかだ。流れからのゴールは減り、本田も活躍することが難しくなっている。
4)DFイグナツィオ・アバーテとMFナイジェル・デ・ヨングに欠場の可能性
チームの要であるアバーテとデ・ヨングは負傷によりダービーで出場できるか微妙な状況だ。アバーテは本田とともにチームの生命線である右サイドの攻撃を担ってきた。一方のデ・ヨングは守備から組み立てまでミランの全てを司る存在である。この2人の離脱の影響は計り知れない。
5)シルヴィオ・ベルルスコーニ会長によるチーム戦術への介入
サンプドリア戦でミランはジェレミー・メネズをワントップに置く、”ゼロトップ型”が通用することを再度示した。しかし、ダービーではこれを採用することは難しいだろう。ベルルスコーニ会長がより攻撃的な布陣を求めているからだ。同会長の希望は純粋なフォワードであるフェルナンド・トーレスをトップに置いた形。インザーギ監督は対戦相手だけでなく、会長との駆け引きも強いられている。
これらの要素を踏まえた上で、予想されている布陣は4-3-3だ。
GK:ディエゴ・ロペス
DF:イグナツィオ・アバーテ(アンドレア・ポーリ)、アレックス、アディル・ラミ、マッティア・デ・シリオ
MF:ジャコモ・ボナベントゥーラ、ナイジェル・デ・ヨング(マイケル・エッシェン)、サリー・ムンタリ
FW:本田圭佑、フェルナンド・トーレス(ジェレミー・メネズ)、ステファン・エル・シャーラウィ
本田は右ウイングでの出場が濃厚となっている。焦点となるのはアンカーのポジションとセンターフォワードだ。デ・ヨングの出場が難しい場合、代わりにエッシェンが入ることになるだろう。センターフォワードに関してはトーレスとメネズの間で揺れている。サンプドリア戦を見る限りメネズの方が良さそうだが、会長の圧力も見逃せない。
ダービーでの戦いぶりは、新監督インザーギの最初の正念場と言えそうだ。ここで無様な敗北を喫することがあれば、ファンとクラブからの信頼の喪失は免れない。また、同じく初出場となる本田も大きなプレッシャーのもとでプレーすることになる。この2人の“ルーキー”は無事に試練を乗り越えることが出来るのだろうか。
【了】