ボール支配率は近年でも最低の数字に
開幕戦で地元ブラジルに0-3で敗れた日本。この試合の「ボール支配率」は前半の終了時で36%、後半少し戻したものの、試合全体でも39%だった。
このデータは勝敗の全てを示すわけではないが、日本が本来のスタイルを発揮するにはあまりに少ない数字だ。「ボール支配率」が40%を切ったのはザッケローニ監督が就任して初めて、10年W杯を戦った前体制でも本大会のオランダ戦ぐらいではないか。
なぜ「ボール支配率」が大きく下がってしまったのか?
「前半は特にブロックを作って守備をしようと。後ろで回されている分には怖くなかった」という長谷部キャプテンの証言からも分かる様に、日本は高い位置からプレスをかけず、やや引いたエリアにコンパクトな守備を敷いて対応した。
その時点で0-4と敗れた昨年の欧州遠征とも違う守備になっていたわけだが、問題はそこからの対応だ。ブラジルは後ろでボールを持ちながら、左SBのマルセロが同サイドのネイマールより内側の高い位置に入り込んで、中盤が常に数的優位に。
その状況で、両CBやグスタボから2列目の選手に縦パスを付け、彼らがドリブルで日本の守備をさらに後ろへ引っ張り込んだ。
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