バイエルン・ミュンヘン元監督のユップ・ハインケス氏【写真:Getty Images】
バイエルン・ミュンヘンで3冠を達成した元監督のユップ・ハインケス氏は、同クラブへの移籍が噂されるボルシア・ドルトムントのMFマルコ・ロイスは必要ないと考えているようだ。9日のドイツ紙『アーベント・ツァイトゥング』が報じている。
ハインケス氏は、2011年にバイエルンの監督に就任。就任初年度は、国内リーグ、カップ戦でドルトムントに後塵を拝し、チャンピオンズリーグ(CL)では、同大会史上初となる地元開催での優勝を狙ったものの、チェルシーに敗れた。しかし、翌2012/2013シーズンにはドイツ勢として史上初の3冠を達成している。
同氏は、現状のブンデスリーガで2位と3位につけるヴォルフスブルク、ボルシアMGが「彼らにはまだそこまで(優勝するまで)の自信、確実性そしてクオリティーはない」と分析。そして、「優勝は出来る」と話している。
また、「ヨーロッパを見ても、今のバイエルンに対抗できるクラブはほとんどない」と、驚異的な強さを示す同クラブを絶賛している。
この状態でロイスを獲得することについては「6人もの攻撃的選手がプレーすることになってしまうだろう」と、否定的な様子。FWロベルト・レバンドフスキ、MFトーマス・ミュラー、アリエン・ロッベン、フランク・リベリ、マリオ・ゲッツェ、ジェルダン、シャキリなど各国の代表クラスがひしめくオフェンス陣が余剰戦力になってしまうことを危惧している。
実際、同氏が望んで獲得したFWマリオ・マンジュキッチは、レバンドフスキ獲得で不信感を抱き、アトレティコ・マドリーに移籍してしまった。昨季から出場機会があまり得られていないシャキリに関しても移籍の噂は絶えない。
3冠を獲った経験のあるハインケス氏は、選手の能力を信頼し、現状のままでも十分と考えている。そして、ロイスの獲得で、チーム内に不和が生まれないか、古巣が心配なようだ。
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