イングランド・プレミアリーグ所属のストーク・シティ。数年前まではイングランドサッカーの伝統とも言える、ロングボールを主体とした攻撃が彼らの特徴だった。
しかし、現在そのストークが変わろうとしている。昨年、ストーク・アカデミー(育成組織)のディレクターに就任したデイブ・ライト氏はより現代のヨーロッパシーンに近い戦術を若い世代から取り組み、成長させる方針に転換。
現地時間の10日プレミアリーグの公式ホームページにライト氏のコメントが掲載されている。
ライト氏は「私は“フットボール”がやりたい」と話す。
「ハイテンポ、激しいプレッシングで失ったボールをすぐに取り戻し、高いラインを保つ。時にはいい形でボゼッションをして、ゲームを組み立てることも必要」
現在もストークには身長201センチのFWピーター・クラウチをはじめ、キャプテンのDFライアン・ショウクロス、MFステベン・エヌゾンジら、各ポジションに190センチ超えの選手が多く在籍。
一方で、今季はFWボージャン・クルキッチやFWビクター・モーゼスという小柄でもドリブルやスピードに秀でた選手を獲得。彼らの加入もあり、2年目のマーク・ヒューズ監督は新たな戦い方をチームに植え付けている。
「全てのクラブは、アカデミーもトップチームの一部として一致団結している」
ストークのような資金力に余裕のないクラブでは、アカデミーから優秀な選手を輩出することがより重要になる。
近年のサウサンプトンはまさにその理想形。数年前のセオ・ウォルコットやガレス・ベイル、最近ではルーク・ショーといったタレントを次々を輩出。ストークも彼らを良いモデルとして考えているようだ。
また、ストークのU-21チームの選手にトップチームの本拠地ブリタニア・スタジアムでプレーする機会を与えることも重要だという。
「U-21はただプレーする時間を与える場所ではない。プレミアリーグで戦う準備をする場所だ」とライト氏。
クラブの強化はすなわち、イングランド代表の強化にも繋がると自信を露わにしている。
バルセロナ式の一貫したスタイルを貫いたスペイン、リーグ全体で育成システムの改革に乗り出し、自国選手の強化に取り組んだドイツ。世界を制した2つの大国に続くのは、“ストーク発”のイングランドになるかもしれない。
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