「採点をするなら5とするところだった」
ミランがサンプドリアに対し1点のビハインドを負っていた後半14分、本田圭佑はあえなくフェルナンド・トーレスと交代となった。普段ミラン番として彼のパフォーマンスを観察している地元記者たちの評価は、概ね良くなかった。
「酷かった。悪すぎた。これは今度の試合からずっとベンチになるだろうよ」
こう語ったのは、コリエレ・デッラ・セーラのアレッサンドロ・ボッチ記者だ。
「もっとも冗談で、これまでに点を取ってきた本田は引き続きスタメンで使われることになると思う。ただ、今日に関して言えば5だ。採点をするなら5とするところだった」
一方、対戦相手側であるサンプドリア番の記者の中には、守備などを懸命に頑張っていた本田のパフォーマンスについて高い評価を与えるものもいた。
ジェノバ一番のローカル日刊紙ながら、歴史と全国的な知名度では全国紙に匹敵するといわれる「イル・セーコロ・デーチモノノ」のダミアーノ・バッソ記者は次のように語った。柳沢がサンプに所属していた頃をきっかけとし、海外で活躍する日本人選手や日本代表の闘いぶりなどにもアンテナを張っている記者だ。
「試合については引き分けが妥当だったと思う。最初の10分から20分までは、ミランはかなりアグレッシブに来ていた。特に本田は勢力的に動いてプレスをかけてきていたと思う。ただ点を取ってからはまるで試合終了10分前になったかのようにペースを落とし、なぜかラインを下げた。サンプが支配区域を取り戻した」