優勝争いから脱落する痛すぎる敗戦
試合後、サポーターからブーイングが起きた。
前節の敗戦を払拭するかのように、川崎フロンターレは相手ゴールへ迫った。立ち上がりはディフェンスラインの裏のスペースを狙い、わずかにオフサイドとなったが、6分には大島僚太のパスに大久保嘉人が抜け出す場面も作った。
中村憲剛のCKを福森晃斗が頭で合わせて先制点を奪う。一時は追いつかれるも、小林悠の得点で前半のうちに突き放した。
絶え間ないパス&レシーブで相手の隙を伺い、決定的な場面を作り出す。前半は川崎がやりたいサッカーを実践していた。
ところが後半、再び同点とされてしまう。川崎はその後、中村が負傷交代したこともあって攻撃の迫力が減退。運動量も落ち、好守の切り替えも遅れる。すると90分、中盤でボールを奪われ速攻を食らうと、持ち込んだ村田和哉に値千金のゴールを決められ万事休す。土壇場で試合をひっくり返された。
ボールを保持し、相手ゴール前に迫るシーンを作りながら敗れた川崎。この日の清水のパフォーマンスも素晴らしかったとはいえ、川崎としては痛すぎる敗戦となった。
人一倍悔しい思いをしているのは、大島だろう。
「自分自身のミスでチームが負けてしまったので、申し訳ないです」
2-2で迎えた90分、ピッチ中央でパスを受けると迷わず前を向いた。
「点を取らないといけない」という思いが、タッチをわずかに狂わせたのかもしれない。対峙する相手をかわそうとしたところをカットされると、これが清水の決勝ゴールに繋がってしまった。
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