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VfBシュトゥットガルトでプレーした元サッカー日本代表DF酒井高徳と同クラブで指導者や通訳を歴任した河岸貴氏。両者の親交は10年以上も続き、現在でもフットボール談義を長時間交わす間柄だという。今回は、シーズン開幕前に行われた両者の対談の一部を抜粋してお届けする。(取材:Footballcoach、構成:編集部)
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リベリー対策は「蓋をする」。日本でのやり方が「無力だと気付いた」
7年半に渡り、ドイツでプレーした酒井高徳は、ブンデスリーガでバイエルン・ミュンヘンなどの強豪とも対戦している。VfBシュトゥットガルトのトップチームで指導者や通訳などを務め、酒井とも同時期に在籍した河岸貴氏は、酒井がかつて対峙したフランク・リベリーやアリエン・ロッベンへの対応について尋ねた。
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まず大前提として酒井が挙げたのはチーム全体がボールにオリエンテーションしているか。「BoS理論」の軸ともいえるこの連動がなければ、世界のトップで活躍している選手を抑えることはできない。その前提をふまえたうえで、酒井はリベリーを抑えるための対応を回想した。
「リベリーはパスもできるし、シュートもできる。ドリブルもできるし、身体も強いし速い。どうしたらいいのか2回、3回やって本当に思ったのは、正直ちょっと自分の場所じゃないところは無視しました」
ただ、ボールを入れさせないようにタイトにマークしていたとしても、裏に出されてしまうと負けてしまう。酒井は「ボールが入ったときに(リベリーが)後ろを向くような距離感で常にやっていた」という。「ボールにうまくオリエンテーションしていたら、(相手SBに)オーバーラップされても絶対にCBが(カバーに)いるから」と言い、「ボールが入ったときに蓋をする」ように守っていた。
「日本にいたときはグループでスペースを守っていたらやられないと思っていた。でもそうじゃない。その人で解決できる選手がいたとき、それが無力だということに気づいたので、その人が自由にできないようにするしかない」
それでも完璧に封じることは難しかったと酒井は言うが、世界最高峰の選手への対応の仕方を学んだという。そして、酒井はそもそもの「プレッシング」という言葉が指すものについても言及する。