守備に追い込まれたカリアリ戦
「2試合でノーゴールと、疲れの影響が出てきている。メネズが彼の代わりに右サイドで先発する可能性もある」
やはり、そう書かれてしまった。1日のコリエレ・デッロ・スポルトは、2日のパレルモ戦のスタメン予想で本田の名前を入れるも、こう書き添えることも忘れていなかった。
ノーゴールが2試合続くことはそこまでスキャンダラスなことではないはずなのだが、結果が出なければすぐに問題視される。それがこの世界である。
ただ記者談話記事(https://www.footballchannel.jp/2014/10/30/post53683/)でも書かせていただいたが、カリアリ戦の試合後には「よく戦ってはいた」「本田はましだった方」という地元記者からの反応も存外によく聞かれた。
後半の20分、カウンターからミランの守備陣を破り中央へと侵入したエクダルに対し、エリア手前で体を当ててボールを奪うなど、守備では少なからずファインプレーがあった。
攻撃的なカリアリは、ボナベントゥーラの中盤起用の影響でMF陣の周りがルーズだったことを見抜き、このゾーンに人を動かし、パスを回して主導権を握った。
彼らにもう少しフィニッシュワークの精度があればドローでは済まなかったところだが、本田の守備も何度かカリアリの攻撃を切り、決定的なピンチに繋がるのを未然に防いでいた。ラ・レプッブリカ紙などは、「インコントリスタのようなタックルをやらせてもなかなか侮れない」と褒めていた。
ただもちろん彼が守備に追い込まれる状況は、チームとして攻撃が構築できていないことを意味する。本田自身も、攻めに行ってシュートやクロスを放つたびにそれを阻まれた。
特にこの日のカリアリは、本田に左SBを密着マークさせるなどの対策を施していたわけではない。ただ組織でスペースを消した。ボールを奪われたらすぐにラインを整え、ボールホルダーに対して収縮する。左ウイングのコッスもカバーに入るなど、チームとしてゾーンディフェンスをきちんとやっていた。