残留を目指す相手を崩しきれなかったマリノス
この時期になると優勝争いと残留争いが話題の中心となる。J2降格だけは何としても避けたい下位チームにとって、最も大事なのは勝点を取りこぼさないことだ。
どんなにいい内容の試合をしても、負けてしまっては意味がなくなる。勝利を目指して戦いながら、90分間の中のどこかで区切りをつける。せめて勝点1は持って帰ろうとチーム全体で意識を共有し、試合を終わらせる。
1ポイントが未来を左右するだけに、現実を見て何が最適かを判断していく必要がある。
その点で言えば、30節の横浜F・マリノス戦でのセレッソ大阪は、しっかり収穫を得て日産スタジアムを後にしたことになる。
勝利を目指して戦ったが、勝点1も悪くない結果。監督、選手共にこういったコメントを残している。
J1残留が目標となったセレッソにとって、アウェイでの1ポイントは貴重な上積みだ。最終的に、このドローが順位にポジティブな影響を及ぼす可能性もある。
一方、マリノスとしてはどうだったか。懸命に勝点を掴もうと挑んできた相手から得点を奪うことはできなかった。
試合を支配したのはマリノスだった。中村俊輔がボールに絡むことで落ち着きが生まれ、周囲も彼に呼応することでパスの選択肢も増える。
その中でこの日は、齋藤学が5試合ぶりにスタメン復帰していた。
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