シナプソロジーはライフキネティックなど海外のプログラムを参考に独自に開発
現在日本のスポーツ界で注目されているシナプロソジーというトレーニングプログラムをご存知だろうか。
シナプソロジーはスポーツジムのルネサンスを中心にしたシナプソロジー普及会が中心となって作成したトレーニングプログラムだ。
端的にいえば、使っていない脳を活性化させることで状況判断の能力を上げ、運動のパフォーマンスを向上させることを目的にしている。
このプログラムは、子どもから高齢者、またアスリートまで可能。対象者に応じたレベル調整ができる。1人から多数まで行うこともでき、どんな場所でも実施できる。時間は10~20分という短時間で済む。
そして、シナプソロジーはプログラムの効果実証を行っており、手先の器用さ、判断能力、反応時間が向上する・脳の注意能力が向上する・爽快感が向上し、緊張・興奮、疲労感、抑うつ感、倦怠感が低下などの効果が立証されている。
例えば、こんなメニューだ。(シナプソロジー普及会WEBサイトより http://www.s-re.jp/renaissance/synapsology/)
詳しいメニューの進め方などは、本文の最後で紹介している書籍を参考にしていただきたい。
今回のセミナーの関心度は高く、日本のスポーツ界のあらゆるジャンルから参加があったが、なかにはFCバルセロナのカンテラでの指導経験もある村松尚登氏(現水戸ホーリーホック・ジュニアユースコーチ)の姿もあり、セミナー後に感想を求めると「事前に抱いていた疑問がすっきりしました」といい、こう続けた。
「例えば、コーディネーショントレーニングは、できる動作とできない動作を組み合わせたときに、できない動作もできるようにするという考え方です。
一方、シナプソロジーは、できないことをやることで脳全般をトレーニングし、それが結果的に、サッカーでいえば状況判断の向上につながるであろう、と期待できるトレーニングのようです。例えば、パス交換をするときに足し算の計算を入れたり、ある数字を言われたらドリブルの方向を変えたり、といった動きながら脳に刺激を与える練習メニューがイメージできます。
もちろん、コーディネーショントレーニングなどとは明確にわけないと期待する効果が曖昧になってしまうので注意が必要ですが、シナプソロジーをサッカーのどんなメニューに組み込んで、どんな効果を求めればよいのかはっきりしました。サッカーへの応用も面白いと思いますね」
シナプソロジーは、ライフキネティックなど海外のさまざまなプログラムを研究したうえで、独自に開発されたプログラムである。
視覚・聴覚・触覚などの感覚器へ、さまざまな刺激を与え続けながら、動くことを通して、注意機能や判断力などの認知機能を高め、脳を活性化させることで、アスリートのパフォーマンスアップ向上につながると期待されている。
脳だけを鍛えるいわゆる脳トレとは異なり、脳へ刺激を与えるときに必ず身体の動きを伴うようにプログラムは構成されている――。
私たちも実際に体験してみた。文字にしてしまうとやや小難しくなってしまうが、実際のトレーニングはまったく難しくはない。