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移籍のルールを大きく変えた95年の『ボスマン判決』
フットボールマネーと言えば、選手の移籍金もその1つ。
補強の目的は、試合に勝つこと。勝てばファンは歓喜し、スタジアムに足を向ける人もぐっと増え、ビッグイヤーを手にすれば高額な報奨金も得られる。
なかでもスター選手の移籍は、レプリカシャツをはじめとするグッズ販売にも大きな影響を与える。
今や飛ぶ鳥を落とす勢いのACミラン本田圭佑は、加入から1年もたたずして、すでに500万ユーロ(約7億円)のマーケティング効果をチームに上げたという。
今季もご多分に漏れず、高額な移籍がサッカー界を賑わせた。
表(1)は、14/15シーズンの高額移籍金トップ10ランキングである。
こうした過熱化の一途をたどる移籍市場に劇的な影響を与えたのは、1995年の『ボスマン判決』である。
ボスマン判決以前は、選手の保有権はクラブ側が握り、移籍に関しては、契約満了後であってもクラブ側の承認が必要なうえ、移籍金も要求された。しかしこの判決が下された後は、契約満了の選手が移籍する際、クラブ側の承認を得ることも、移籍金を要求されることもなくなった。
同時に国際間を含めた自由移籍が可能となり、EU域内の選手に対する外国人枠が撤廃され、2001年には、通称『FIFAルール』を誕生させた。
一方、たとえ契約期間中であっても双方のクラブが、その選手の契約解除に合意すれば移籍が可能になる。その際に発生するのが契約解除金(移籍金)である。
例えば日本のプロ野球の場合には、FA(フリーエージェント)という制度があるものの、ある一定の条件をクリアしたうえでFA宣言をしなければならず、サッカーの移籍ほどスムースには進まない。海外移籍ともなれば、なおさらハードルは高い。