ブンデスリーガ第9節、バイエルン・ミュンヘン対ボルシアMG戦で女性第4審判の取った行動がドイツ国内で大きな話題を呼んでいる。28日付けのドイツ紙『ビルド』は、その行動に敬意を表し、ブンデスリーガ1部で彼女に主審をやらせるべきだと報じている。
同試合の第4審判は、ビビアナ・シュタインハウス氏。女性だった。0-0で迎えた後半アディッショナルタイム、ペップ・グアルディオラ監督がテクニカルエリアを出て時間の短さを抗議。それを注意に向かったシュタインハウス氏に対し、同監督は肩に手を回し、まるで恋人に要求するかのような素振りを取った。
同氏はすぐさまその手を振り払い、審判であることを態度で主張。女性であろうとも、審判は絶対であることを示した。さらに、その行為に対し主審に告げ口をするようなことはせず、その場を収めている。
この行為に多くのドイツ国民は感銘を受け、彼女は強い人だと称賛。それと同時に、男女平等社会の中で、なぜ彼女はまだブンデスリーガ2部の主審なのかという論争が起こっている。
元FIFAの審判で『ZDF』の専門家ウルス・マイヤー氏もこれについて「もう、女性主審が笛を吹いてもいいと思う。彼女ならうまくやれるだろう」と、『フォーカス・オンライン』で述べている。
ボルシアMGのマックス・エーベルSD(スポーツディレクター)も「彼女がライン上にいる時は常に毅然としている」と、コメントした。
これに対し、審判長のヘルベルト・ファンデル氏は、1部で主審を出来るレベルに達していないと説明。性別ではなく、技術の問題と否定している。
シュタインハウス氏が1部で笛を吹く日は来るのかどうかドイツでは騒がしくなっている。しかし、同氏の幸せは1部で笛を吹くことではなく、恋人とともにプライベートを過ごすことのようだ。
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