1得点もPK失敗を悔やむ
J1連覇を達成したサンフレッチェ広島だが、3連覇はやはり簡単ではなかった。それでも、毎年主力選手が引き抜かれていく中でもチームカラーは変わらなかった。J最高クラスの育成組織から上がってくる若手を育て、他クラブから獲得した選手を鍛え上げるなどしてチーム力を維持してきた。
今シーズンは中位にいるが、広島がJリーグを代表するクラブであることは変わらない。
そんな広島の頼れるストライカーが佐藤寿人だ。類稀なる得点感覚でゴールを量産し、広島に勝利をもたらしてきた。
J1通算143得点は、中山雅史氏、マルキーニョス(神戸)に次ぐ第3位だ。
28節の名古屋グランパス戦で約3ヶ月ぶりとなる得点を挙げると、前節のFC東京戦でもチャンスを見逃さなかった。
55分、左からのCKにFC東京のGK権田修一がファンブル。こぼれた所に真っ先に飛び込んだ佐藤が押し込んだ。
ただ、前半にはPKを外している。ゴール左隅を狙ったキックは鋭く反応した権田にセーブされた。
「さすが日本代表のゴールキーパーだなと。自分の中ではそんなにコースは甘くなかったと思うんですけど、駆け引きの中で負けてしまった」と振り返る。
先述の通り同点ゴールを奪ったものの、勝利に繋げることはできなかった。
「その後1点取ることができましたけど、それだけでは足りないと思う。もっと仕事をしないといけなかった」
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