7試合で6得点。2桁ゴールも射程圏内に
ルート・フリットを皮切りにデヤン・サビチェヴィッチ、ズボニミール・ボバン、マヌエル・ルイ・コスタ、クラレンス・セードルフとミランにおいて伝統的にクラブ最高の外国人選手が背負ってきた背番号10。
昨シーズン、冬の移籍市場でCSKAモスクワから加入した本田圭佑は、この“エースナンバー”を背負うことを決断したが、地元のファンやメディアは懐疑的な目を向けていた。
『ミランの10番に相応しい選手なのか?』
そのような疑念は、確信に変わっていったことも事実だろう。シーズン途中とはいえ、加入1シーズン目は14試合に出場して1得点。高いハードルをクリアするには不十分な成績に終わった。
その中で迎えた今季は、プレシーズンから参加出来るものの、周囲からのプレッシャーはさらに大きいものだったはず。加えて、本職のトップ下ではなく右ウイングでの起用。名古屋グランパス時代には左を中心にサイドを務めていたが、難しさはあったはずだ。
それでも、シーズンが始まれば6試合で4得点を挙げるなどチームをけん引する活躍を披露。さらに、この試合では前半27分と後半11分に得点を挙げて2ゴールを記録。7節を終えて6得点という結果には、序盤ながら“見返した”と言えるだろう。
また、ルート・フリット以降に背番号10を背負った選手のセリエAにおける1シーズン最多得点はフリットとサビチェヴィッチの9得点。本田が今季、10得点を挙げればこのレジェンド達の記録を塗り替えるとともに中田英寿が記録したセリエA日本人最多得点にも並ぶ。そして、その記録は射程圏内に捉えている。
もちろん、過去の10番たちは得点数だけでは語れない創造性溢れるプレーでファンを魅了し、なによりセリエAやチャンピオンズリーグなどビッグタイトル獲得に貢献してきた。本田が今後、ミランの歴史に名を刻むためにはチームでのタイトル獲得は必須と言える。