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J1昇格プレーオフ決勝、東京ヴェルディ対清水エスパルスが2日に行われ、1-1で引き分けたヴェルディがJ1昇格を決めた。キャプテンを務める森田晃樹は安堵と喜びに涙。土壇場で引き分けに持ち込んだ試合の舞台裏には、森田を立ち直らせる後輩の一喝があった。(取材・文:藤江直人)
J1昇格に涙した東京ヴェルディ主将
森田晃樹は自分自身に驚いていた。こんなにも涙もろかったのか。そもそも、人前で大泣きするようなタイプだったのか。必死に記憶をたどっても「大人になってからはない」と苦笑するしかない。
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それだけ、23歳にして東京ヴェルディのキャプテンを務める森田にとって、2023年12月2日は特別な日となった。ホーム扱いの東京・国立競技場に清水エスパルスを迎えたJ1昇格プレーオフ決勝。1―1の引き分けと、実に16年ぶりとなるJ1復帰決定を告げる主審の笛が鳴り響いた瞬間だった。
センターサークル付近にいた森田は空を見上げながら、ピッチに仰向けになって倒れ込んだ。左右の手で顔を覆いながら号泣している。チームメイトたちの手で起こされても、試合終了の挨拶に臨んでも、Jリーグの公式インタビューでお立ち台に上っても、あふれ出てくる涙を止められなかった。
インタビューでは終始言葉が途切れ、代わりに嗚咽に近い声をマイクが拾う場面もあった。ファン・サポーターのエールを受けながら、何とか言葉を紡いだ森田は照れ臭そうに涙の理由を語っている。
「何かもう自然と泣いてしまいました。いまのチームにはアカデミー上がりの選手もいますし、梶川(諒太)選手や小池(純輝)選手をはじめとする、チームを長く支えてきた選手もいる。そういった選手たちの嬉しそうな顔や泣いている顔を見ていたら、僕もすごく泣いちゃいました」
もちろん、幾重もの涙に込められた思いはこれだけではなかった。ひとつは一人の選手として、計り知れないほど大きく、重たい十字架から解き放たれた安堵の思いが涙腺を決壊させていた。