『ライフ・キネティック』の手法を生かしたトレーニング
京都精華は創部してまだ10年ほどの新しいチームでありながら、2度目の出場となった2012年度高校女子選手権で3位、メキメキ頭角を現しています。越智監督が特に大切にしているのがリフティング。
約1時間半の練習の中でも、リフティングにはかなりの時間が費やされます。それもそんじょそこらのリフティングとは違います。リフティングと同時に手を叩いたり、頭の中で計算をしたりと常に複数の動作を同時進行するのです。これによって運動中枢以外の脳も徹底的に鍛えます。
実はこれらはドイツ代表やドルトムントなどでも取り入れられている『ライフ・キネティック』の手法に通じるものなのです。ドイツ代表のすばらしいタレントたちは、脳を鍛えることで世界と戦っているともいわれています。
精華女子流リフティングを毎日練習すると、脳の働きが良くなることで越智監督は、「ピッチ上の情報整理が一瞬でできるようになります。そうすると次にどんなプレーを選択するのがベストかがわかるようになります。精華女子はポゼッション練習を一切しませんが、試合になると非常にポゼッション率が高まります」と話します。
むむっ、リフティングの練習をすることでポゼッションが高まる。これはトライしてみる価値があり!?
さらに脳を活性化することで「サッカー部はみんな勉強の成績がいいんです」(越智監督)と聞けばなおさら。このリフティング練習でサッカーの実力も、勉強の成績も両方手に入ってしまうかも。育成年代にとっては、最高のトレーニング方法ではないでしょうか。失敗は大歓迎。この練習には笑顔が重要です。それも脳を活性化させてくれます。
次ページには実際に行われているリフティングの動画を紹介します。