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挫折と信頼。アビスパ福岡で異彩を放つ紺野和也。転機となった「本当にいい移籍」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

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JリーグYBCルヴァンカップ決勝、アビスパ福岡対浦和レッズが4日に行われ、2-1で勝利した福岡が初制覇を果たした。福岡の2得点をアシストしたのは、今季から福岡でプレーする紺野和也。三笘薫らと大学サッカーでしのぎを削ったドリブラーは、FC東京での挫折を経てその才能を開花させている。(取材・文:元川悦子)


アビスパ福岡が仕掛けた浦和レッズ対策

YBCルヴァンカップを制したアビスパ福岡
【写真:Getty Images】

 かつて「5年おきにJ1に上がるエレベータークラブ」と言われながら、2020年の長谷部茂利監督就任、2021年の昇格後は着実に力をつけてきたアビスパ福岡。2022年はYBCルヴァンカップ4強・天皇杯8強と上位に躍進し、今季も両大会で着実に勝ち上がった。

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 天皇杯は惜しくも準決勝で川崎フロンターレに敗れたものの、ルヴァンカップは準決勝で名古屋グランパスを撃破。ついにファイナルの舞台まで上り詰めた。

 その相手は22/23シーズンAFCチャンピオンズリーグ(ACL)王者の浦和レッズ。浦和は20年前の2003年にルヴァンで初タイトルを獲得して以来、アジア屈指の強豪クラブに成長した。タイトル未経験の福岡にとっては難敵に他ならなかったが、ACL、J1との超過密日程を強いられる相手よりは日程的にやや有利。長谷部監督も浦和対策を入念に行ってきたと見られただけに、11月4日の大一番は非常に興味深かった。

 東京・国立競技場に6万1683人という大会最多観客を動員し、最高の雰囲気の中、行われたこの試合。鋭い出足を見せたのは福岡の方だった。長谷部監督はボランチを本職とする秘蔵っ子・前寛之を2シャドーの一角に配置し、浦和のアレクサンダー・ショルツと酒井宏樹のビルドアップや球出しを阻止する策に打って出たのだ。

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