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「ヴィッセル神戸」を取り戻した180分。“らしさ”を思い出させた2つの宝刀とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

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明治安田生命J1リーグ第29節、横浜F・マリノス対ヴィッセル神戸が9月29日におこなわれ、0-2で神戸が勝利した。1勝2分1敗と勝ち点を伸ばせなかった時期を乗り越え、神戸は2試合連続で完封勝利を収めている。首位を守る神戸は、いかにして自分たちらしさを思い出し、マリノスを撃破したのだろうか。(取材・文:藤江直人)


横浜F・マリノスを撃破

横浜F・マリノス戦に抜擢されたヴィッセル神戸DF飯野七聖

【写真:Getty Images】

 トラッキングデータには群を抜く数値が記されていた。12.073kmに達した総走行距離、37回を数えたスプリントはヴィッセル神戸のチームメイトだけでなく、対峙した横浜F・マリノスの選手たちを含めたなかでも最も多い。今シーズンの優勝の行方を占う大一番で飯野七聖が躍動した。

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 ディフェンダー登録されている飯野の主戦場は右サイドバック。実際、今シーズンもリーグ戦で先発した2試合は、欠場した酒井高徳の代わりを務めた。一転して3度目の先発だった9月29日のマリノス戦で任されたのは右ウイング。武藤嘉紀を右からあえて左ウイングに回した上での抜擢だった。

 敵地・日産スタジアムに乗り込む上で、吉田孝行監督から託されたタスクを飯野はこう明かす。

「まずは守備の強度を保ち続けることを意識して試合に入りました。そのなかで縦へ仕掛けてからのクロスを含めて、僕の特長でもある得意なプレーを出していってほしい、と」

 神戸もマリノスも[4-3-3]を主戦システムとする。いわゆるミラーゲームになる状況で、飯野の対面にはマリノスのビルドアップを担うキーマンの一人、左サイドバックの永戸勝也が来る。飯野の武器である前への推進力をもって、永戸を封じる狙いがあったのか。吉田監督は否定しなかった。

「それもひとつありますし、攻守両面で飯野のアグレッシブさがいい方向に働くんじゃないか、と」

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