11日に行われたJ2第36節東京ヴェルディ対湘南ベルマーレが引き分けに終わり、湘南が2014シーズンJ2優勝、そしてJ2初優勝を決めた。6試合を残しての優勝は2004年の川崎フロンターレに次ぐ早さとなる。
アウェーの味の素スタジアムに乗り込んだ湘南はサポーターの数で東京Vを圧倒したが、優勝決まるかもしれないという緊張からか動きが硬く、いつものような強度と速さを見せることができない。
東京Vもホームで優勝させまいと凄まじい勢いで湘南ゴールに襲いかかって互角以上の戦いを演じたが両者一歩及ばず、スコアレスドローに終わった。この瞬間2位松本との勝ち点差が19に広がり、湘南のJ2初優勝が決定。引き分けに終わって試合終了直後は笑顔のなかった選手たちだが、アウェーに乗り込んだ3000人以上のサポーターと優勝の喜びを笑顔で分かち合った。
開幕14連勝というJリーグ開幕連勝新記録を作り、2000年の札幌に並ぶJ2の連勝記録に並ぶ快進撃で攻撃力に目がいきがちな湘南だが、実は守備のチームでもある。36試合を終えた失点数18は失点率に直すと1試合あたり0.5失点だが、このままシーズンを終えれば歴代1位の記録を達成することになる。前述の札幌が記録した失点率0.55が最少記録だった。
総失点数の最少記録は2011年のFC東京がマークした22だが、これは38試合での記録。残り6試合で4失点以下に抑えれば42試合で新記録達成となり、「史上最高の守備力」という称号も手にする。
他にも新記録をいくつも達成しそうだ。現在36試合で勝ち点89を獲得しているが、これを1試合あたりに直すと2.47となり、このままのペースでシーズンを終えれば勝ち点制度が現在の制度になった2002年以降で最高の記録となる。これまでの記録は2004年の川崎Fが記録した2.39だった。
勝ち点そのものも歴代最多を更新するかもしれない。現在の記録は2009年の仙台が51試合で獲得した106だが、現在89の湘南が残り6試合で全勝すれば最多記録となる。J2は試合数が年によって大きく違うため参考にならない部分もあるが、42試合での勝ち点100以上は驚異的と言えるだろう。
敗戦の数も歴史的だ。現在はアウェーで愛媛に足もとをすくわれた1敗のみの湘南だが、このまま残り試合で敗れることなく終われば、2010年の柏が記録した2敗を抜いて歴代最少記録となる。柏は36試合で2敗だが、現行と同じ42試合制であれば2012年の甲府が記録した4敗が最も少ない記録だ。
さらに敗戦率も2010年の柏の5.6%が最低だったが、湘南が1敗のままシーズンを終えれば2.4%となるのでこちらも圧倒的な新記録樹立となる。
圧倒的な強さで2014年のJ2を席巻した湘南は、その爪痕をJ2の歴史に深く刻み込んで2015年のJ1に殴り込みをかけることになりそうだ。
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