ポゼッション減少に見られるアギーレ監督らしさ
シュート数は日本が20本に対してジャマイカ5本。スコアは相手のオウンゴールによる1-0だったが、決定機は数多く作った。アギーレ監督が「結果と内容が合っていない」と語ったとおりである。
16分に先制した日本は、ジャマイカがボールを持ったときに9人が守備ブロックを形成し、ボールを奪うと素早いカウンターアタックでチャンスを作っていった。ディフェンスラインではリスクを冒さず、つなぐのが難しい状況では迷わずロングボールを選択。こうした試合運びにアギーレ監督らしさが出ていた。
51.6%というポゼッションの低さにも表れている。後半のジャマイカはガス欠状態だった。対戦相手が長旅で日本へやってくるキリンチャレンジカップでは見慣れた光景である。しかし、その相手に対して日本のポゼッションが60%を切ったのは珍しい。
ジャマイカが前線からプレスする意識が高かったことは影響している。日本がGK西川周作からビルドアップしようとすると、ジャマイカはフィールド上で1対1の関係を10個作っていた。どこへパスをしてもプレッシャーをかけようとしていたわけだ。
日本の3トップはジャマイカの3バックと1対1の関係になっていたから、GKからトップへロングボールを入れるのは定石であり、そのために日本のポゼッションはあまり上がらなかった面はある。
ただ、それよりもやはり日本が1点リードの状況を生かして、相手にボールを持たせながらショートカウンターを狙った結果がポゼッションの減少につながっている。これはザッケローニ前監督時代には見られなかった試合運びであり、アギーレ監督の考え方が反映されている。