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「死ぬ気で守るから」窮地の横浜F・マリノスに宿った新たな力。CB喜田拓也を支えたもの【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

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 YBCルヴァンカップ準々決勝・第2戦、横浜F・マリノス対北海道コンサドーレ札幌が10日に行われ、3-0で勝利したマリノスが準決勝進出を決めている。最終ラインに負傷者が続出するアクシデントに見舞われたマリノスは喜田拓也をCBで起用。いかにしてマリノスは窮地を乗り切ったのか。(取材・文:藤江直人)


「もうやるしかない」喜田拓也のCB起用

北海道コンサドーレ札幌に勝利した横浜F・マリノス
【写真:Getty Images】

 あれこれと考え、思い悩む時間もなかった。ケヴィン・マスカット監督から先発で出場するポジションの変更を告げられた瞬間に、横浜F・マリノスのキャプテン、喜田拓也は腹をくくった。

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「アクシデント的な感じで、急きょという形でした。直前に聞いた形だったし、本当に準備する時間もなかったので、もうやるしかないと。いつも言っていることですけど、チームの力になりたいので」

 任されたのは主戦場としてきたボランチではなく最終ライン。しかも、サイドバックではなくセンターバック。自軍のゴール前で高さと強さが求められるポジションでプレーするには、身長170cm体重64kgと小柄な選手に分類される喜田のサイズは、数字の上でどうしてもハンデを感じさせた。

 ホームのニッパツ三ツ沢球技場に北海道コンサドーレ札幌を迎えた、10日のYBCルヴァンカップ準々決勝第2戦。敵地・札幌ドームで6日に行われた第1戦で開始早々に先制しながら、退場者を出した末に2-3で落としていたマリノスのセンターバック陣に、実は緊急事態が発生していた。

 第1戦のセンターバックは上島拓巳と實藤友紀が先発した。しかし、相手のクロスを顔面でブロックした實藤がプレー続行不可能となり、開始わずか15分でエドゥアルドと緊急交代した。

 實藤は第2戦の先発メンバーどころか、ベンチ入りする18人のメンバーからも外れた。しかも、4日前の第1戦でフル出場していた上島の名前も見当たらない。喜田が言及した「アクシデント的な感じ」とは、おそらく先発が予定されていた上島の離脱を指していたのだろう。

 開幕からリーグ戦で全試合に出場してきた畠中槙之輔は、8月19日のFC東京戦で負傷退場。右膝前十字靭帯と半月板を損傷する全治8カ月の大怪我で、長期戦線離脱を余儀なくされた。

 そのFC東京戦で81分から途中出場し、右足第五中足骨の骨折から復帰した角田涼太朗は再びベンチ外が続いている。5人のセンターバックのうち、プレー可能なのはエドゥアルドだけとなっていた。

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