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Jリーグ 1年前

浦和レッズはどういうクラブなのか? 「ラストチャンスだ…」声を荒げた西川周作の思い【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

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明治安田生命J1リーグ第24節、浦和レッズ対名古屋グランパスが18日に行われ、1-0で浦和が勝利した。サポーターの問題行動により因縁の一戦となったこの試合は、「浦和レッズがどういうクラブなのか」を示すものとなった。GK西川周作はいつもと異なる雰囲気を感じ取りながら、チームを支え続けていた。(取材・文:藤江直人)


浦和レッズが「We are REDS!」に込めた思い

埼玉スタジアムの浦和レッズサポーター
【写真:Getty Images】

 選手入場へ向けてメインスタンド下で待機していたときだった。浦和レッズの選手たちの耳に、南北のゴール裏を発信源とする、埼玉スタジアム全体を揺るがす大声援が響いてきた。

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「We are REDS! We are REDS! We are REDS!――」

 左サイドハーフとして先発する関根貴大は自然と心が震え、闘志がさらに高まってくるのを感じていた。中学生年代のジュニアユースから浦和で育ち、気がつけば生え抜きの選手で最年長になった28歳は「We are REDS!」の意味を熟知していたからだ。

「ACL決勝や天皇杯決勝とか、本当に特別なときにしか聞けない声援なので。今日はそういう試合ではないのに、ああいう後押しをしてくれた。全員が本当にひとつになって戦う証だと思いました」

 コロナ禍で禁止されていた声出し応援を繰り返した一部サポーターを管理できなかったとして、Jリーグからけん責と歴代最高額に並ぶ2000万円の制裁金を科された昨年7月。立花洋一社長(当時)名で出された緊急声明のなかに「We are REDS!」の歴史と意味を説明するくだりが見られる。

「この言葉は浦和レッズサポーターが第一声をあげ、クラブを含む浦和レッズに関わる全ての人が受け入れた言葉。そして、浦和レッズに関わる全ての人を『応援する側』と『応援される側』に分けることなく、良いことも悪いことも全て自分ごととして受け止め、向き合い、そして前に進んでいくことを意味する言葉。そんな成り立ちと意味を持った言葉であると信じています」(原文ママ)

 ホームの埼玉スタジアムに名古屋グランパスを迎えた、18日の明治安田生命J1リーグ第24節。キックオフ前の時点で、浦和は約1年前の声明で綴られた「悪いこと」を抱えていた。

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