日本代表の重要な試合になると現れる謎の渋谷ハチ公前スクランブル交差点フーリガン(?)。試合後、大量に湧いて出てくるこの人たちの正体を見極めんと、勝てばW杯本大会進出が決まるヨルダン戦の夜にニュースの真相取材班は渋谷に向かった。
厳戒態勢の渋谷
渋谷に着いたのは深夜1時近く。しかし到着とともにワールドカップ・アジア地区最終予選ヨルダン戦、敗退の報。
ここまでわざわざ深夜にやってきたにもかかわらず無駄足もいいところ。なんとも嫌な気分になりつつ、とりあえずはハチ公口に行ってみることにした。南アのワールドカップのときに渋谷のスクランブル交差点付近はハイタッチ暴徒に占拠され、ケガ人まで出て以来、このあたりの警備がきつくなったとは聞いていた。どれほどだろうと思えば、やあやあ沢山いるわいるわ。護送車の数は10数台、隊列を組む警察官の数は300人をくだらない。
私服の警察官と思しき人に聞いてみる。
「いやあ、これじゃあ空振りですねえ」「負けたみたいですよ。それでも仕事続くんですねえ」
「・・・・」
見事にガン無視。厳戒態勢である。
ところが、少しずつであるがどこからともなくセンター街入口に日本代表のユニフォームを来た若い人たちが、いやはや続々と増えてくる。みんな酔っ払っている風なのは、きっとスポーツバーやら居酒屋やらで試合を観てからやってきているのだろう。この出現のタイミングは混雑していたレジで割り勘の会計が終わったくらいの時間にほぼ一致する。
すると先ほどまで隊列を組んでハチ公の裏手にいた警察官が見計らったように交差点付近まで進出してくる。スクランブル交差点を包囲するように隊列が分かれ、信号が変わると、まるで天安門広場や平壌の閲兵式かなにかのようにセンター街から渋谷駅までの交差点の左右にびっしりと警官が立ち並んだ。
そして、護送車の上につけられた巨大なスピーカーから「歩行者のみなさん、横断歩道は走らないでゆっくりと歩いてください」と大音量の告知が始まった。その瞬間、ツタヤ前にすでに数百人規模にまで膨れ上がっていた「日本代表サポーター」が一斉にスクランブル交差点に突撃を開始。