オーストラリア戦のカギは日本らしい“パス&ムーブ”
5月30日のブルガリア戦の惨敗から5日後に迎えるオーストラリア戦。W杯出場がかかる大一番だが、どこかネガティブな空気が漂っている。オーストラリアの高さにどう対抗し、セットプレーでどう守り切るかに話題が集中しているのも、敗戦の影響かもしれない。
もちろん守備に関して、オーストラリアの強みである高さや強さを封じるための対策は必要だ。しかし攻撃に目を向ければ、オーストラリアに無いクイックネスや細かい動き、そうしたトップスピードでもブレない技術、そうした日本の持ち味を最大限に活かせる試合でもある。それらをしっかりと発揮することが、日本代表が勝ち点を取る近道だろう。
ブルガリア戦では[3-4-3]を前半からテストしたこともあり様々な問題が出たが、筆者がオーストラリア戦に向け最も大きな問題として感じたのが、[4-2-3-1]に変更した後半に、攻撃における細かいズレが多く出て、日本の持ち味を活かせなかったことだ。この状況に関して、後半24分から入った中村憲剛は次の様に語った。
「パスの出し手と受け手、お互いの意識のズレと言うか、出したいところともらいたいところがちょっとズレてしまった。お互いトップスピードでやっているので、ズレるとはまらないし、逆にはまればというのがある。紙一重ですけど、それは久々にみんなで会うというのもある。でも、長くやっているので言い訳はできない」
ブルガリア戦の翌日から4日間の練習は冒頭15分とダウン、居残りの個人練習を除き非公開が続いたが、香川などが意識的にトラップからのターンを反復していた様に、選手たちは問題意識を持って取り組んでいた様子だ。
欧州でのカップ戦を終え、直前に合流した3人がほぼぶっつけ本番でフィットできるかも気になるが、日本らしい“パス&ムーブ”を発揮してオーストラリアの守備を崩しにかかってもらいたい。