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明治安田生命J1リーグ第16節、湘南ベルマーレ対アルビレックス新潟が3日に行われ、2-2の引き分けに終わった。覚悟をもって新潟に来た伊藤涼太郎は、2得点を演出してなお「チームを勝たせる選手にならなければいけない」と、決めきれなかった決定機を悔やんでいた。(取材・文:藤江直人)
ゴールを演出した伊藤涼太郎の脳裏に浮かんだのは…
時間にして2秒ほど。ファーストタッチからほんのわずかの間に、アルビレックス新潟のトップ下、伊藤涼太郎は3つの選択肢から最適解を選択。味方のゴールをアシストした。
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湘南ベルマーレ戦の30分にFW谷口海斗が決めた同点弾。敵地レモンガススタジアム平塚を静まり返らせた一撃をさかのぼっていくと、伊藤の左足に行き着く。芸術的なラストパスを繰り出したファンタジスタには、どのような景色が見えていたのか。返ってきた言葉から、伊藤の非凡さがあらためて浮かび上がってきた。
右サイドでのビルドアップからMF小見洋太へ縦パスが入る。反転して前へボールを運ぶ小見の左斜め後方にいた伊藤は追走するスピードをあえて緩め、自分の周りにスペースを作った。
そして3人もの湘南の選手に囲まれ、前方をさえぎられた小見からパスを呼び込んだ次の瞬間だった。敵陣のほぼ中央にポジションを取った伊藤の脳裏に、最初の選択肢が思い浮かんだ。
「小見からボールを受けたときに、最初は自分で左足を振り抜こうと思ったんですけど」
右足でのファーストタッチを意図的に左へ流しながら、そのまま利き足とは逆の左足でシュートを放つビジョンを描いた。しかし、湘南ゴールまでの距離は約25mとちょっと離れていた。