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オランダ代表の背番号10は、ワールドカップ本大会で輝けないのか。時代を象徴する選手が身に着けてきた番号だが、必ずしも神聖な影響力を持っているわけではなかったのかもしれない。ところが、その不吉なジンクスを打ち破った者もいた。本大会出場を逃した2002年日韓大会と2018年ロシア大会を除く、参戦した直近のワールドカップ6大会でオランダ代表の背番号10を託された選手たちの活躍を振り返る。※所属クラブは大会前時点、年齢は初戦時点のもの
アメリカワールドカップ
【写真:Getty Images】
背番号10:デニス・ベルカンプ(インテル)
生年月日:1969年5月10日(当時25歳)
個人成績:5試合出場/3得点1アシスト
監督:ディック・アドフォカート
戦績:ベスト8
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この大会のオランダ代表はマルコ・ファン・バステンが負傷により、ルート・フリットが指揮官との対立に不在という危機的状況だった。最強トリオのうちチームに残ったのはフランク・ライカールト、たった1人だけ。
特にベルカンプにとっては前線でポスト役になれるファン・バステンの不在が痛かった。また、鳴り物入りで移籍したインテルではUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)優勝に貢献しながら、セリエAでは全くと言っていいほど力を発揮できずにいた。
そうした不安を抱えながら迎えたワールドカップだったが、背番号10を託されたファンタジスタは期待に応えてオランダ代表をけん引した。グループリーグ最終戦のモロッコ戦で1得点1アシストを記録してチームを決勝トーナメント進出に導くと、ラウンド16のアイルランド戦でもゴールを挙げて勝利に貢献する。
迎えた準々決勝のブラジル代表戦、2点ビハインドの64分にベルカンプが奪った大会3得点目は反撃の狼煙となり、76分にアーロン・ヴィンターのゴールで同点に追いつく。ところが81分、ブランコに直接フリーキックを決められ、再び勝ち越しを許してしまった。
全5試合にフル出場してクラブでの不振を払拭するパフォーマンスを見せたベルカンプの奮闘むなしく、オランダ代表は、のちに優勝を果たすことになるカナリア軍団に屈した。背番号10として挑んだワールドカップは準々決勝で幕を閉じた。なお、ベルカンプはオランダ代表で背番号10の他に「9」「7」なども着用した経験を持ち、4年後のフランスワールドカップには背番号8をまとって出場した。