ミュラーの市場価値はパダーボルンの2チーム分
「1×ミュラー=2×パダーボルン」――9月23日付の大衆紙ビルトのスポーツ欄に、大きな公式が載った。
今季よりブンデスリーガ1部に昇格したSCパダーボルンは、大方の予想を覆して快進撃を続けてきた。8月24日の開幕戦、対マインツ戦を2-2のドローで終えると、続く第2節はハンブルガーSVをアウェイで3-0と一蹴する。
昇格チーム同士の対戦となった第3節のケルン戦は0-0の引き分けだったが、第4節のハノーファー戦は2-0と勝利を収める。すると得失点差の関係でパダーボルンは、とうとうブンデスリーガの順位表で首位に立った。
そして23日のブンデスリーガ第5節で、「首位」のパダーボルンは「昨季王者」のバイエルン・ミュンヘンと対戦することとなったのである。先の公式は、両チームが対戦するに当たってビルト紙が特集を組んだものだ。
「今日、ブンデスリーガで最も不平等な上位チームの対戦」、ビルト紙はそう見出しを付けた。「どれだけこの闘いが不平等か、このことがまた示す」として記されたのが、「1×ミュラー=2×パダーボルン」という公式なのである。
どういうことかと言うと、ドイツの移籍市場専門サイトのトランスファー・マルクトによるバイエルン所属のトーマス・ミュラー1人の市場価値「5000万ユーロ(約69億2800万円)」は、パダーボルン全選手の合計市場価値「2200万ユーロ(約30億4800万円)」の2倍である、という意味だ。
2200万を2倍にしても4400万なので、厳密にはイコールではないのだが、そこはビルトの情けといったところか。ビルトはミュラーの巨大な写真を1つと、小さなパダーボルンのチーム集合写真を2つ掲載した。
ビルト紙:「パダーボルンの全メンバーはバイエルンのスター、ミュラーのたった半分の価値しかない。なのでビルトは昇格チームの写真を2つ掲載する」。