J1第25節でJ1の今季初となるハットトリックが生まれた。達成したのは川崎フロンターレの大久保嘉人。
スポンサー看板の破損で2試合の出場停止明けとなって迎えたこの大宮戦。1点目は21分。中村憲剛のスルーパスに抜け出すと、GKとの1対1を冷静にファーサイドに決めて先制。51分には田中裕介からのグラウンダーを流し込んで追加点をあげた。
圧巻は79分の3点目だ。中村から配給された浮き球のボールを、対面していた金澤慎をヘディングでのトラップで抜き去り、角度がないにもかかわらず、アウトサイドでニアサイドを撃ち抜いた。
チームは3対1で大宮に勝利。今季15得点となり、前節2得点をあげたペドロ・ジュニオールに奪われた得点ランキングトップの座を1試合で抜き返すことに成功した。
昨年のJ1得点王に輝いた大久保だが、昨年のハットトリックはなかった。意外なことに、これが自身2度目。前回のハットトリックは、セレッソ大阪時代に記録した2004年9月19日のジェフ市原(現千葉)戦。
10年ぶりのハットトリックは、柳沢敦(現ベガルタ仙台)が鹿島アントラーズ時代に記録した8年を更新するJ1の最長ブランクでのハットトリック達成でもあった。
そしてこの得点により、自身のJ1通算得点も130点と、ついに130点台になった。歴代5位につけているジュビロ磐田の前田遼一の137点がいよいよ射程圏内に入ってきたといえるだろう。
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