トップチームでの実戦経験を積ませようというクロップの意思
岡崎慎司の奮戦でマインツが勝利を手繰り寄せることとなった、20日のブンデスリーガ第4節マインツ対ドルトムントの一戦では、ドイツメディアでは目立って取り上げられるところはなかったが、セレッソ大阪よりドルトムントに期限付き移籍中の丸岡満がブンデスリーガ・デビューを飾っている。
80分からベンダーに代わって途中出場して、光る可能性を見せた丸岡は、試合後に次のように述べた。
「デビュー出来てとりあえず良かった、っていう気持ちが今はあるんですけど、チームが負けてしまったので、やっぱり負けると悔しいので、しっかり切り替えて、また呼んでもらえるように、次の試合に向けて明日から頑張りたいです」
タッチライン際に立ったときには、指揮官ユルゲン・クロップから「お前なら出来る、そして楽しめ」と声を掛けられたという。
「具体的なプレーの指示はなくて、練習でいつもやっているので、そういったことはなくて、気持ちの面を指摘されました」
80分で0-2という状況と、ドルトムントには傾いていない試合の流れを考えてみれば、丸岡にトップチームでの実戦経験を積ませようとする意図をクロップが持っていたことは明らかである。あの局面で勝利を手繰り寄せるというミッションは、丸岡には酷というものだろう。
ブンデスリーガ第4節対マインツ戦における80分のベンダーから丸岡への交代策に垣間見えたのは、クロップの将としての懐の広さだった。
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