意識を高く持った守備は安定も攻撃が機能せず
ACミラン対ユヴェントス。サッカーの長い歴史において、ファン垂涎の好カードであり、02-03シーズンにはチャンピオンズリーグ決勝を戦うなど、過去も多くの激闘を繰り広げてきた両クラブ。
しかし、昨シーズンはユヴェントスが2戦2勝。ここ3シーズンはコパ・イタリアを含めてユヴェントスが6勝2分け1敗と大きな差をつけている。
現状では完全な挑戦者の立場でこの一戦に臨むミランは、第2節パルマ戦を負傷欠場したステファン・エル・シャーラウィが復帰。本田圭佑、ジェレミー・メネズと3トップを組んだ。
そのミランは、立ち上がりから後方に重心を置いて守備の意識を高く持った戦い方を選択。その甲斐あってか、前半はピンチを迎えながらも粘り強さを見せて0-0で折り返した。
その一方で、攻撃面は連勝した開幕2連戦とは勝手が異なり、これまで見せてきた連動性を見せられず。カウンターから何度かチャンスは作るものの、相手に恐怖心を与え、守備を意識させるほどの攻撃は繰り出せなかった。
実際、センターフォワードとして出場したメネズのプレーエリアを見ると、ハーフウェーラインよりやや下の自陣センターサークル付近が最多の32.14%。対してゴール前は7.14%と極端に低い数字に留まった。
これはメネズが低い位置まで下がってボールを受ける動きをメインとしていることも関係しているが、PKを含む2得点を挙げたパルマ戦ではゴール前のエリアで15.07%を記録していることからも、この試合でメネズがいかに抑え込まれていたかが分かる。