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“ドルトムントらしい勝利”。カギは攻撃的CB。積極的な縦方向への意識がスピードある前線を生かす

欧州チャンピオンズリーグ第1節、ドルトムントはホームにアーセナルを迎え、2-0で勝利した。香川真司は欠場となったものの、ドルトムントらしい内容での勝利には“攻撃的センターバック”の存在があった。

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

支配率で下回りながらシュート数で圧倒するドルトムント

 スコア2-0、支配率45%-55%、シュート数23本-5本、パス本数294本-373本、アタッキングサードでのパス本数143本-117本、チャンス数15回-3回。

 試合後のスタッツを見ても、実にドルトムントらしい結果となった。もちろん、支配率に関しては前半が52%-48%で若干上回っており、後半開始早々に2点目を挙げたことが最終的にアーセナルに傾く要因の1つになったが、それでも支配率で下回りながら約5倍のシュート数を放っている。

 また、合計のパス数で下回りながらも、アタッキングサードでのパス数では上回り、こちらも5倍のチャンスを生み出している。

 試合を観ていて特に印象的だったのは縦方向への意識だ。最終ラインから前線までの距離をコンパクトに保ち、スペースの少ない場所へも恐れることなく縦パスを入れる。

 さらに、相手がボールを持てば前線からプレスをかけて奪い、一気に前線へ運ぶ。GKやDFラインも後方でパスを回してビルドアップをするのではなく、前線へ積極的にパスを入れていく。

 このスピーディーな展開にインモービレやオーバメヤンといったスピードのある選手は生きる。インモービレによる先制点もオーバメヤンによる追加点も、2人の特徴が生きた得点シーンだった。

 そして、このドルトムントにとって最も重要な役割を担っているのはセンターバックの2人、スボティッチとソクラティスである。

 まず、ドルトムントの2人がパスを通した位置とアーセナルのコシールニーとメルテザッカーがパスを通した位置を比較すると、その違いは明らかだ。

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