海外日本人選手 最新ニュース
海外に活躍の場を求める選手は増えており、国内で実績を残す前に海を渡るケースも増えている。若手の移籍が加速する背景には欧州クラブ側の実情があり、選手自身にとってはリスクがあることを忘れてはいけない。ベルギーのシントトロイデンで多くの移籍にかかわってきた立石敬之CEOは若手日本人選手の海外移籍についてどう考えているのだろうか。(取材・文:元川悦子)
海外移籍の低年齢化は加速
2022年カタールワールドカップ(W杯)で日本がドイツ・スペインの両優勝経験国を撃破したことで、日本人選手の注目度が高まっていると言われる。とりわけ、傑出した打開力を持つ三笘薫は評価が急上昇し、再開後のイングランド・プレミアリーグでもコンスタントに先発をキープ。1月21日のレスター戦でもペナルティエリア外から豪快なドリブルシュートを決め、見る者の度肝を抜いた。
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しかしながら、この冬の欧州移籍市場で動きがあるのは、20歳前半以下の若手中心だ。21日には京都サンガを契約満了になりながら自力で這い上がった上月壮一郎がシャルケでドイツ・ブンデスリーガ1部デビュー。パリ五輪世代の鈴木唯人のストラスブール移籍も報じられている。高校サッカーからダイレクトにボルシア・メンヘングラードバッハ入りする神村学園の福田師王含め、海外移籍の低年齢化は加速する一方のようだ。
そんな欧州の最前線にいるシントトロイデンの立石敬之CEOに、日本人移籍の現状や今後の見通しを聞いてみた。
「カタールW杯で結果を出した三笘や堂安律の名前は欧州でも広く知られるようになりましたが、今回のW杯は11~12月開催だったので、ベルギーやイングランド、フランスなどは直後から今季後半戦がスタートしていていますよね。
となると、すぐに移籍が起きにくい。夏のW杯だったらマーケットが閉まる8月末まで時間的余裕がありますから、クラブ側も検討できますけど、今回は難しい。なかなか動きづらいのが実情です」
時期的な部分に加えて、2020年から始まったコロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻による経済的停滞も欧州移籍市場の動きの鈍さにつながっていると立石CEOは指摘する。