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カタールW杯はラテン系の国が有利? 西部謙司氏に訊く、強豪国同士の対戦で予想される展開

text by 編集部 photo by Getty Images

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サッカー関連書籍から優れた書籍を毎年表彰する「サッカー本大賞」を主催する株式会社カンゼンとYouTubeチャンネル『MILKサッカーアカデミー』がコラボしてお届けする本企画。今回はカタールワールドカップ出場国+αを紹介した『フットボール代表プレースタイル図鑑』を上梓した西部謙司氏をゲストに招き、来るカタールW杯の展望を聞いた。【聞き手:ノーミルク佐藤、井上マー(以上、MILKサッカーアカデミー)、石沢鉄平(フットボール批評編集長)】


【写真:Getty Images】

カタールW杯はラテン系の国が有利?

――『フットボール代表プレースタイル図鑑』の出版おめでとうございます。各国のナショナルチームの歴史から、ワールドカップの経緯、現在のナショナルチームの特徴まで網羅されています。ワールドカップが迫った今、ぴったりの出版タイミングの本ということですね。今大会の展望についてお聞きしたいです。

「カタール、中東でやるのは初めてですし、予想をしにくいですね。強いチームがそんなに強くないというのもあるので」

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――それはどういった原因があるのでしょうか?

「簡単に言うと強豪国がわりと頭打ちで、それに続くチームが強豪国と戦う時にどうしたらいいのかというのに慣れてきたんで。実力差はあるんだけど点差はつかないという試合が多い」

――差が詰まってきているんですね。今大会はどんなトレンドが予想されるんですか。

「予想をしにくいですね。日程も詰まってますし、どのチームも準備しないまま本番に臨まなきゃいけない。時期も11月にやるというのはなかったですから。不確定要素はあるんですが、今の今考えると、ラテン系のチームが有利なのかなと」

――やっぱり陽気だから? すぐに仲良くなれる?(笑)

「そんなわけないですよね(笑)。単純にネーションズリーグ見ていても、そんなに出来のいいチームはないんですよ。スペインはあまり良くないんですけど、ポルトガルとかブラジル、アルゼンチンは調子がいい」

「今ヨーロッパで流行っているのはハイプレスですね。相手の陣地でプレッシャーかけてボールを奪って、そうすれば相手の守備は崩れているから崩す手間がない。そういうサッカーが今割と流行っているんですけど、強豪国同士、本当のトップのチーム同士でやるとハイプレスの効力があまりないんですよ」

「スペインが持ったら、ブラジルが持ったら、ポルトガルもそうかもしれないですけど、ハイプレスで取れないです。結局外されてカウンターされちゃうんで、ハイプレスはするんですが、全部が全部それっていうのは危険ですよね」

「ある程度は引いた状態からいけるときに前からいこうというサッカー。あるいは中堅国になると前からいかないっていうサッカーになってきているので、強豪国同士だとハイプレスしてもそんなに効力がないのでどっちも引くだろうと。その時に崩せる力があるチームが有利なんじゃないかな」

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