巨額の赤字刷新へFFPを導入したUEFA
その額、ざっと2380億円にも達した。
UEFA(欧州サッカー連盟)に加盟する54協会の1部リーグで2011年(当時は733クラブ)に計上された経営赤字の総額である。
プロサッカー・クラブは、れっきとした法人である。法人である以上、費用と売上のバランスが求められるは当然だが、その一方で、スポーツビジネスは公益性が高いとされているため、ネガティブだとされた多くのことは、目をつむられてきた。
しかし、ものには限度がある。度を越えた費用が垂れ流されてきたため、生み出されたのがこの巨額な赤字額であり、その刷新のため、UEFAのミシェル・プラティニ会長が立ち上がって取り組み始めたのがFFP(ファイナンシャル・フェアプレー)である。
これは、11/12シーズンから始まり、段階を経て18/19シーズン以降の経営赤字は認めないというもの。
プロサッカー・ビジネスの収益構造は、大きく3つに分けられる。
(1)マッチデー収入(チケット代や飲食代など)
(2)放映権収入
(3)コマーシャル収入(スポンサーシップやライセンス料、グッズ販売など)
これらの具体的な内容については、次回以降に譲るとして、金額については、世界的に有名な会計監査法人デロイト社が出しているフットボール・マネー・リーグで概略はつかめる。
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