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フットボールマネーを追え!【01】欧州リーグを発展させた放映権料と常識外の赤字経営

ファイナンシャル・フェアプレー導入で問われるクラブ経営。欧州5大リーグでも国々に異なる手法とは? さらに、国民経済に占めるサッカービジネスの割合からサッカー文化の浸透率を算出。欧州5大国と日本におけるに大きな差があった。

シリーズ:フットボールマネーを追え! text by 小松孝 photo by Getty Images

巨額の赤字刷新へFFPを導入したUEFA

 その額、ざっと2380億円にも達した。

フットボールマネーを追え!【01】欧州リーグを発展させた放映権料と常識外の赤字経営
UEFAのミシェル・プラティニ会長が立ち上がって取り組み始めたのがFFP(ファイナンシャル・フェアプレー)【写真:Getty Images】

 UEFA(欧州サッカー連盟)に加盟する54協会の1部リーグで2011年(当時は733クラブ)に計上された経営赤字の総額である。

 プロサッカー・クラブは、れっきとした法人である。法人である以上、費用と売上のバランスが求められるは当然だが、その一方で、スポーツビジネスは公益性が高いとされているため、ネガティブだとされた多くのことは、目をつむられてきた。

 しかし、ものには限度がある。度を越えた費用が垂れ流されてきたため、生み出されたのがこの巨額な赤字額であり、その刷新のため、UEFAのミシェル・プラティニ会長が立ち上がって取り組み始めたのがFFP(ファイナンシャル・フェアプレー)である。

 これは、11/12シーズンから始まり、段階を経て18/19シーズン以降の経営赤字は認めないというもの。

 プロサッカー・ビジネスの収益構造は、大きく3つに分けられる。
(1)マッチデー収入(チケット代や飲食代など)
(2)放映権収入
(3)コマーシャル収入(スポンサーシップやライセンス料、グッズ販売など)

 これらの具体的な内容については、次回以降に譲るとして、金額については、世界的に有名な会計監査法人デロイト社が出しているフットボール・マネー・リーグで概略はつかめる。

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