レアンドロ・ドミンゲスが指摘する工藤の特長
16日、日本代表メンバーが発表され、工藤壮人が初招集を受けた。U-12から育った生え抜きのFWは、今シーズンさらなる進化を遂げ、第12節終了時点で広島の佐藤寿人に次ぐ8ゴールを挙げて、現在得点ランキング2位に名を連ねている。Jリーグ草創期にはカレカ、そして昨年まで北嶋秀朗が背負っていた柏のエースナンバー“9”を受け継ぎ、名実ともに柏のエースストライカーに成長した。
昔から実直で、何事にも屈しない強いメンタリティーを持つ。プロ1、2年目は試合に出られない時期も多かったが、メンバー外になっても気持ちが折れたり、腐るようなことはなく、「試合に出るためにはどうすればいいのか」、「自分はこのチームのために何ができるのか」といった考えをしっかり整理しながら絶対に努力を怠らない。
レギュラーを手にした現在でも布部陽功コーチ指導による居残り練習に取り組む日は多く、柏のU-15に所属していた中学2年生の頃には、海外遠征のメンバーから漏れ、国内居残り組となったことがあったが、そのメンバー落ちで味わった悔しさを糧に練習に励み、その後はレギュラーポジションを掴み取るなど、工藤の努力のエピソードは数限りない。
プロに入ってからも日々の努力を積み上げてきた工藤は、2010年10ゴール(J2)、2011年7ゴール(J1)、2012年13ゴール(J1)と着実に成長を遂げ、今シーズンはすでにリーグ戦では8ゴール、AFCチャンピオンズリーグでは5ゴールを記録。昨シーズンを上回るペースでゴールを挙げている。
特別足が速いわけでも、身長が高いわけでもない。
ただ、レアンドロ・ドミンゲスが「工藤は裏への抜け出しが速い。ああいう動きをしてくれるとパスを出しやすい」と話すように、DFの背後を突き、裏へ抜け出してのゴールを決める動きというのはユース時代から抜群にうまかった。先日のACLラウンド16第2戦、全北との試合で決めたゴールは、まさしく工藤の真骨頂が発揮された一撃だった。