重厚な赤の群衆で埋め尽くされたエスプリ・アリーナ
世界一の国の2部リーグが開幕した。2014年8月1日、ブンデスリーガ2部のオープニング・ゲームが行なわれる。カードは、フォルトゥナ・デュッセルドルフ対アイントラハト・ブラウンシュバイクだ。
1部より降格して迎えた昨季を6位で終えたデュッセルドルフは、オリバー・レック監督を新たに迎え、また昇格へ向けて巻き返しを図るシーズンとなる。
2013年よりGKコーチとして加入していたレック監督は、昨季は2度監督代行を務めており、その際好成績を残していた。恰幅の良さを感じさせる人柄で、人望も厚い。
昨年は降格こそしたものの、経営面に目を向ければクラブの負債を全て返済した年でもあった。
今年1月1日にはヘルムート・シュルテ氏が新たにスポーツ役員に就任している。1シーズンでの1部返り咲きとまでは行かなかったが、新しいスタッフ、監督、加入選手とともに、フォルトゥナ・デュッセルドルフは本当の意味で新たな船出を迎えているのである。
そして開幕戦で何より特筆すべきことは、4万1667人という、4万を超える観衆が詰め掛けたことだろう。9月にはドイツ代表がアルゼンチン代表を迎えるテストマッチが予定されており、国際Aマッチを行なうにふさわしい近代的なエスプリ・アリーナは、重厚な赤の群衆で埋め尽くされた。
世界広しと言えど、開幕戦で4万人以上のファンを集めることのできるクラブはそう多くはないのではないか。
うだるような夕暮れの暑さの中、ビールは飛ぶように売れた。熱気が至る所で渦巻いている。誰もがこの日を待ちわびていた。ドイツ代表が世界一となったことで、オラが街のフットボールへの飢えがいつにも増したところもあっただろう。もちろんフォルトゥナにドイツ代表は1人もいない。
しかし、そんなことは関係なかった。赤と白のユニフォームに身を包んだ人たちにとっては、フォルトナこそが世界一で、愛すべきクラブなのだ。