かつての“世界最強”セリエA、00年代中盤から急速に弱体化
モウリーニョ監督に率いられたインテルが09-10シーズンにチャンピオンズリーグを制して以来、欧州カップ戦での存在感は薄まっていった【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】
「世界最強リーグ、セリエA」。かつて、中田英寿氏がペルージャでの挑戦を始めた90年代後半-00年代前半、日本の深夜に放送されていたテレビ中継の謳い文句として使われていた言葉だ。
実際、ローマにはトッティやバティストゥータ、ミランにはマルディーニやシェフチェンコ、ユヴェントスにはデル・ピエロやジダン、インテルにはヴィエリやレコバが在籍。
さらに、80年代後半-90年代前半にはミランに在籍したファン・バステンがバロンドールを3度獲得。その後02-03シーズンにはミランとユヴェントスがチャンピオンズリーグの決勝で対するなど、その名に恥じない群雄割拠のリーグとして、世界中から人気と注目を集めていた。
しかし、06年に発覚した審判買収事件「カルチョポリ」を境に、リーグ全体の競争力が徐々に低下。主なところではインテルとローマがクラブ売却によるオーナー変更を経験し、ミランはオーナーであり元イタリア首相でもあるベルルスコーニの政治的失脚をきっかけに財政難に陥った。
そして、モウリーニョ監督に率いられたインテルが09-10シーズンにチャンピオンズリーグを制して以来、欧州カップ戦での存在感は薄まっていった。
UEFAのリーグランキングを見ると、昨シーズンまで4位だったイタリアはポルトガルに抜かれて1ポイント差の5位に転落。さらに、10ポイント差で6位につけるフランスは、投資グループによる買収で大型補強を敢行したパリSGやモナコが急速に力を付けている。
クラブランキングを見るとトップ20の内、ポルトガル、イタリア、フランスの3リーグではヨーロッパリーグで2シーズン連続の準優勝を果たしたベンフィカが5位でトップ。続いて11位ポルト、13位パリSG、14位ミラン、20位リヨンとなっている。
今シーズン、チャンピオンズリーグに出場するユヴェントス、ローマ、ナポリ(PO)と、ヨーロッパリーグに出場するフィオレンティーナ、インテル(PO)、トリノ(予選)は何としても結果を残さなくてはならない。