16位から8位へ急浮上したガンバ。宇佐美も復帰
降格圏内の16位でリーグ戦の中断期間を迎えたガンバ大阪が、本来得意としてきた夏場を迎え、「V字回復」を見せている。再開されたリーグ戦では現在、3連勝中で順位も8位まで浮上してきた。
まだ盤石の戦いぶりとまでは言い切れないものの、3試合で残してきた数字は圧巻だ。前節のヴィッセル神戸戦で披露した今季最多となる5得点のゴールラッシュを含めて、3試合で奪ったのは実に11得点。
「毎試合早い時間帯で点を取ってくれるので楽に試合を運べている」と西野貴治が語るように、全盛時のガンバ大阪を思わせる得点力が3連勝の原動力になっている。
2年ぶりのJ1リーグ返り咲きを果たしたシーズン序盤とは戦術的に大きな変化はないものの、一番の違いはやはり宇佐美貴史の存在だ。開幕前に負った負傷の影響で出遅れた「至宝」ではあるものの、5月の徳島ヴォルティス戦で今季初先発を果たした以降のチーム成績は5勝1敗――。
そのシュート精度は昨年18試合で19得点を叩き出したJ2リーグで既に証明済みではあるが、ブラジル大会を「傍観者」として過ごした苦い経験が、背番号39の意識をさらに変えた感がある。
「毎試合チームを引っ張らないといけない。チームが勝てない時は僕がダメだったというぐらいの思いでいる」(宇佐美)。決してのぼせ上がっている訳ではなく、大阪の雄を牽引すべきエースとしての自覚が今の宇佐美を支えているのだ。
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