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ペップ・バイエルン、次のステップは「クライフの3バック」。更なる進化を求めるグラルディオラの野心

バイエルン・ミュンヘンのペップ・グアルディオラ監督は、新たなシーズンに向けて3バックにチャレンジした。まだまだ実験的な域を出ないが、バイエルンをさらに進化させようという野心も見える。

text by 本田千尋 photo by Ryota Harada

中盤と一体となる流動的な3バック

ペップ・バイエルン、次のステップは「クライフの3バック」。更なる進化を求めるグラルディオラの野心
フランク・リベリー【写真:原田亮太】

 2014年7月28日付のキッカー誌によれば、先週の木曜日に、ペップ・グアルディオラはリラックスした様子で「我々はテレコム・カップで勝てないだろう」と述べている。

 26日、27日、ペップ・バイエルンはハンブルクでテレコム・カップを戦った。他に、ボルシアMG、ハンブルガーSV、ボルフスブルクが参加した30分ハーフのミニ・トーナメントである。

 初戦のボルシアMG戦は、レヴァンドフスキとリベリーのゴールで2-0とリードしながら、クルーゼの2ゴールでドローに持ち込まれ、PK戦に突入する。GKシュタルケの活躍で、ボルシアMGを振り切って勝利を収めた。

 続いて決勝ではボルフスブルクと戦う。好調のレヴァンドフキが2ゴールを挙げて、また新加入のローデもバイエルンでの初ゴールを決める。3-0のスコアでボルフスブルクを下したバイエルンは、ペップの予想に反して、優勝という結果でテレコム・カップを終えた。

 テレコム・カップのバイエルンで特徴的だったのは3バック(die DreierKette)だ。バドシュトゥバーを中心として、左にアラバ、右にハヴィ・マルティネスである。

 ボルシアMG戦では、その3バックの左にベルナト、右にラフィーニャのSBが配置されて、ローデとガウディーニョが中盤に構える。前線ではレヴァンドフスキを中心に、左にリベリー、右にピサロの3トップだ。

 ペップ・バイエルンの3バックは、単純にCBを3枚配置するものではない。先のブラジルW杯でファン・ハールのオランダ代表を初めとする数チームが見せたものとは違うものである。

 硬直的なものではなく、アラバとマルティネスが起用されたことを見ても分かるように、両者のポジショニングによっては中盤と一体となる、流動的なものだ。

 要するに、アヤックス・アムステルダムを源流とする、かつてFCバルセロナでペップがその指揮の下プレーしたヨハン・クライフの3バックと言えるだろう。

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