相手の質の高い動きに後手を踏んだ鹿島の若手CB
やはり浦和は強かった。ボールを保持しながら厚みのある攻撃を仕掛け、複数の選手によるコンビネーションは質の高いものだった。
中でも鹿島のセンターバック・昌子源が警戒していたのは、興梠慎三だった。2012年まで鹿島に在籍していた相手エースの実力は、昌子も十分わかっていた。「慎三さんを意識していた」と気合十分で試合に臨んだ。しかし、浦和の先制点を決めたのはこの男だった。
前半20分、柏木陽介のCKから最後は興梠が詰めてゴールが生まれた。鹿島は前節、セットプレーから2点を失っており、「試合前のミーティングでも気をつけようと話していた」中でまたしても決められた。
先制点を奪われてしまったが、その後も昌子は興梠に食らいつく。しかし、巧みなポストプレーやキレのある動きにはかなり手を焼いた。
「あの人には仕事をさせたくなかったですけど、大抵、ポストプレーされてしまった。相変わらず上手いですね、あの人は。一見やる気なさそうやねんけど、なんかふわ~っとしてるのに上手い」
再会した先輩のプレーに改めて驚かされた昌子は試合中、興梠に対して常に後手を踏んでいたという。
「一瞬がやっぱり速い。今日はヨーイドンがなかったけど、一瞬でいい動きをしてくる。裏に来るのか、足下で受けるかがわからないから、全部俺がリアクションになってしまう」
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