W杯優勝セレモニーとほぼ同じ長さの“退団セレモニー”
ファンは叫び、涙を流す。クラブは記念グッズを販売する。日本人選手が平均的なヨーロッパのクラブへ移籍する度に行われる感情的なセレモニーは、廃止にするか、続けるのであれば2トーンはダウンさせる必要があるだろう。
柿谷曜一朗がおよそ36時間前に行われたドイツのW杯優勝セレモニーとほぼ同じ長さの精巧かつ高度な演出のセレモニーをもって、ついにセレッソ大阪に別れを告げたため、我々は約2ヵ月に及ぶW杯から一気にJリーグへと引き戻された。
クラブの誰もがW杯終了後すぐに彼がクラブを去ることを知っていたのだ。(少しシニカルな第三者は、今シーズンが始まる頃には彼の気持ちが別のところにあったことを示唆していた)
柿谷は、セレッソのキーマンであり、ファンタスティックな才能を持っている。しかし、彼の移籍は本当に感情の全てを放出するような出来事だろうか?
イエス。彼は、幼い頃からクラブに在籍しており、態度の悪さから3年間は徳島への“亡命”に費やしたが、昨シーズンにはついに絶対的でセンセーショナルな存在となった。
彼のフォームの低下がW杯と重なってしまったことは本当に残念だ。2013年6月の柿谷であれば、ブラジルでのグループCで日本を引き上げる存在となれた可能性が高い。