「フェリポン、お前はクビだ」。批難の矢面に立たされている指揮官
「コパ・ダス・コパス(W杯の中のW杯)」を目指したジウマ・ルセフ大統領の思惑通り、運営面においてはほぼ合格点を与えられたブラジル大会。
ただ、2度目の自国開催で6度目の優勝を目指したブラジル代表は、準決勝でドイツにセレソン史上最悪の大敗を喫したばかりか、3位決定戦でもオランダの前に醜態を晒した。
ドイツ戦の歴史的な大敗以降、今大会の足取りに批判が集まっているブラジル代表だが、やはり批難の矢面に立たされているのが指揮官のスコラーリ監督だ。
ドイツ戦で喫した屈辱にも関わらず、今大会最後の一戦を後押ししようとブラジリアに集ったサポーターも、0-3の完敗に堪忍袋の緒を切らし「フェリポン、お前はクビだ」とのメッセージを掲げるものも現れた。
チリ戦までの低調さは、開催国における極度の重圧も大きな一因と見られていたが、コロンビア戦でようやく随所にスコラーリ監督好みの激しさを見せたチームは準決勝以降の2試合で、チームとしての限界を見せつけた。
5月のメンバー招集時から懸念されていたことだが、やはり経験値の少ない選手たちが大一番で災いした。ドイツ戦ではCKから失点し、その後6分間で4失点を喫したが、このシーンはまさに経験値のなさを象徴するものだった。
コロンビア戦での負傷によってこの試合をテレビで見守ったネイマールは会見で「アパゴン(大停電)が起きた」と振り返ったが、ネイマール不在で得点力に自信のないチームは2点目で精神的に崩壊した感があった。